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屈折矯正手術の研修医教育について
Ophthalmology Resident Training in Refractive Surgery, Editorial
Aaaronn MA, Aaberg TMSr: American Journal of Ophthalmology February 2001
米国における屈折矯正手術の件数は、1996年には76,000眼、2000年には861,000眼と10倍以上に増し、2005年までにさらに倍増して年間1,962,000眼になるとされている.こうした屈折矯正手術の診療にはこれまでにない側面があるが、既に先進の米国では研修医にいかに教えるかという議論がはじまっている.
北米とカナダの眼科専門医教育認定施設(大学病院など)149病院を対象として、その教育責任者(教授、部長など)に屈折矯正手術と研修医(医局員)教育についての見解と実態とをアンケートで質問、115施設(77%)から回答があった.
最初に屈折矯正手術の資格について.広くかつ十分に眼科を研修した眼科医であれば従事する資格がある、とするのが92施設(80%)と圧倒的に多数である.一方、角膜を専門にする眼科医に限るべきである、という考えが18施設(16%)から回答されている.自分が角膜を専門とする回答者(13施設)の見解にはバイアスがかかっているらしく、角膜専門医に限るというのが5件(38%)もあるのは面白い現象である.
次に、LASIKは眼科の一般研修中に学習すべきかどうか.併行して研修すべきである、というのが88件(76%)と過半数を大きく上回っている.一方、眼科一般の研修後あるいは角膜を専門研修する場合に修練すればよい、という考えが16%と少数派だがみられる.研修プログラムの実際をみると、90施設(78%)で講義、研究室での実習、手術見学などの具体的カリキュラムを実施している.研修内容は時代とともに変遷しており、RKやastigmatic
keratectomyが減少したのと反対に、PRKやLASIKが増加している.
30施設(26%)では、ベテランの指導下でLASIKの実技を習得させている.この場合、各研修医のLASIK実施件数は16施設で5件以下、9施設で6-10件である.
LASIKの手技習得には研修医のほうが苦労が多いのか、合併症のリスクは研修医のほうが大きいのか、手術成績は研修医もベテランと同じか、といったことは本当のところはデータがなく不明である.ベテランといってもごく最近始めたばかりの術者が多いのだが、アンケートの回答でみる限りでは研修医による術後の成績は良好のようである.
そもそも、屈折矯正手術の研修教育にはさらにいくつかの問題がある.特別な研修プログラムに必要な物的人的資源や資金をいかに確保するか、研修に必要な患者資源をいかに集めるかといった問題がある.地域住民、大学生、医療従事者などに啓蒙するのが大切とされ、院内に専用電話をおいて患者からの質問に答えている施設が多い.また、今後どんどん多くの研修医が習得してくると、新規参入組と既存の専門家との間に競合が起こることを心配する意見が少なくない.
コメント:アンケート調査からいろいろと面白いことを知ることができる.屈折矯正手術はきちんと研修した眼科医なら行ってよい、研修中にPRKやLASIKの手技をきちんと習得すべきである、とするのが米国やカナダの大学病院など研修施設の指導者の大多数の意見である.既に多くの施設でさまざまなカリキュラムが実施されてはいるが、指導医の下で実際の症例を用いて実技を研修させているのは、今のところ4分の1にすぎないが、どんどん整備されていく趨勢である.かなり遅れて立ち上がった我が国の屈折矯正手術が北米のように急伸するかどうかは不明であるが、人的物的資源のサイズが小さい我が国の大学病院では、こうした研修プログラムを実施するのはかなり困難ではなかろうか.
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