| 近着最新情報 Verteporfin Photodynamic Therapy
Verteporfin を用いたphotodynamic therapy (PDT)による黄斑部網膜下新生血管(CNV)の治療が話題になっている.米国Treatment of Age-Related Macular Degeneration with Photodynamic Therapy group (TAP)による無作為臨床試験あるいは症例研究によって、加齢黄斑変性のみならず特発性CNV、病的近視、ヒストプラズマ眼症、多巣性脈絡膜炎、網膜色素線状などに合併するCNVにも有効であると報じられている.
Retina 2002; 22: 6-18 TAPが発表したverteporfinを用いたphotodynamic therapyのガイドラインをみると、1)加齢黄斑変性のclassic CNVまたはoccult CNV、2)慣用のレーザー凝固では中心窩まで凝固が及ばざるをえない中心窩中心に近接するCNV、3)進行してQOLのさらなる低下が心配になる事例などが対象である.この場合、CNVの病巣のサイズ、患者の年齢や高血圧の有無、レーザー光凝固の既往は問題にならない.造影検査によってCNV病巣を確認、できるだけ急いで処置して少なくとも二日間、眼部を遮光するとともに皮膚の露出部をおおって光暴露を避ける.
Am J Ophthalmol 2002 July; 134: 99-101 subfoveal CNVに対するverteporfin PDTの有効性は承認されようとしている.juxtafoveal, extrafoveal CNVについても検討する意味があろう.Juxtafoveal CNV(無血管領域の中心ははずれるが200μm以内のCNV)では中心窩に及んでいなければレーザー光凝固が困難ではないからverteporfin療法の適応はないかもしれない.そうでない事例ではレーザー光凝固のリスクを考えるとこの療法の意味があるだろう.Verteporfin療法の利点とみなされるのは、慣用のレーザー光凝固で起こり得る絶対暗点を回避できそうなこと、レーザー光凝固で病巣に正確かつ強く凝固するのが困難な事例、白内障や固視不良や老年痴呆がある事例、皮内テスト陽性・透光体混濁などのために螢光眼底造影検査でCNV病巣が同定できない事例などは有効であろう.レーザー光凝固とPDTとのどちらかを最初に行なって様子をみて他を追加する、同時に行なう、といった併用療法も検討課題である.
Am J Ophthalmol 2002 July; 134: 62-68 特発性黄斑下CNVにもverteporfin PDTが有用であることを報じている.8眼(男3例、女5例;平均年齢=34.6歳、範囲25-53歳)にverteporfin PDTを施行.経過観察(平均)13.5か月の最終視力は、改善5眼(62.5%)、不変1眼(12.5%)、悪化2眼(25%).合併症や有害効果はなかった.verteporfin PDTの実際:verteporfin 6mg/(体表面積)を10分かけて静注;静注開始後15分後、ダイオードレーザー(689 nm, 50 J/cm2、強度600mW/m2、サイズはCNV 病巣よりも1000 μmだけ大きい)を83 秒間にわたってCNV病巣に照射.処置後5日間、特別仕様の遮光眼鏡装用、体表の露出部をかくして光暴露を避ける.
コメント:加齢黄斑変性にみる黄斑部網膜下CNV、subfoveal CNVに対しては、レーザー光凝固に加えて、副腎皮質ステロイド薬投与、黄斑下手術、黄斑移動術、低線量放射線照射、TTT療法、増殖抑制因子投与などさまざまな臨床試験が試みられてきたが、際立って有効な方法はまだ確認されていない.verteporfin PDTの有効性が追試確認されて標準的治療法になるのを期待したい.
ラタノプラストとチモロールの併用による眼圧下降効果は、単剤投与よりも優れている
Arch Ophthalmol 2002; 120: 915-922 418例の原発開放隅角緑内障、続発開放隅角緑内障、高眼圧症を用いたラタノプラスト単独、チモロール単独、両者併用の眼圧下降効果の無作為二重盲検比較試験.12か月までの経過で、0.05%ラタノプラストと0.5%チモロール併用、一日一回点眼が各単独投与よりも眼圧下降効果が大きい.
コメント:緑内障患者のコンプライアンス改善に有用な結果である.
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